
BLOG|ヒトデ忌避剤|2026-07-19
ベランダ菜園を始める前に知っておきたい鳥獣被害の予防策|後悔しない栽培計画

ベランダ菜園を始めるとき、多くの方が最初に考えるのは「何を育てるか」「どの土を使うか」「日当たりは十分か」といった栽培面ではないでしょうか。
ところが、実際に野菜が育ち始めると、別の悩みが出てくることがあります。
「色づいたトマトを鳥につつかれた」「プランターの土が掘り返されていた」「鳩が手すりに止まり、ふんをするようになった」「湿った土の周りに小さな虫が増えた」
被害が起きてから防鳥ネットや虫よけ用品を探す方も多いのですが、ベランダという限られた空間では、栽培を始める前に予防策を組み込んでおく方が、作業や費用を抑えやすくなります。
鳥獣被害や虫の発生を完全になくすことは困難です。しかし、プランターの配置、育てる野菜、収穫方法、清掃、防鳥ネットなどをあらかじめ計画しておけば、被害を受けにくく、異変にも早く気づけるベランダ菜園をつくれます。
この記事では、これからベランダ菜園を始める方に向けて、後から慌てないための栽培計画と予防のポイントを解説します。
ベランダ菜園では「育て方」と「守り方」を一緒に考える
家庭菜園では、植物が育つ環境だけでなく、鳥や虫が利用しにくい環境をつくることも大切です。
例えば、日当たりを優先してプランターを手すりのすぐ内側へ並べると、外から実が見えやすくなり、手すりに止まった鳥が作物へ近づきやすくなる場合があります。
反対に、鳥を避けようとして室外機の周辺へ鉢を密集させると、風通しが悪くなり、落ち葉や湿気がたまりやすくなることがあります。室外機の裏や鉢底皿の下は、虫が潜める場所にもなり得ます。
栽培を始める前に、次の点を一緒に考えておきましょう。
- 日当たりと風通し
- 水やりや収穫のしやすさ
- 鳥が止まりやすい場所
- 防鳥ネットを付ける余地
- プランター下の清掃のしやすさ
- 避難経路と避難設備
- 強風時に鉢や資材を移動できる場所
「植えられる場所」ではなく、「育てながら管理し、必要なときに守れる場所」を選ぶことが、後悔しない栽培計画の第一歩です。
鳥に狙われやすい野菜は一概に決められない
トマト、イチゴ、ブルーベリーなど、色づいて外から見えやすくなる果実は、鳥による食害を受けることがあります。一方で、「葉物野菜なら鳥害が少ない」とは限りません。
農林水産省の鳥害対策資料では、ヒヨドリによるキャベツやコマツナなどの葉菜類への被害が取り上げられ、家庭菜園のような小さな畑では防鳥網で覆う方法が案内されています。つまり、果実だけでなく、葉も鳥の種類や季節によって食害の対象になります。
そのため、野菜選びでは「この作物なら絶対に鳥に食べられない」と考えるのではなく、次のような管理のしやすさを重視する方が現実的です。
初めてでも管理しやすい作物の考え方
- プランターが大きくなりすぎない
- こまめに収穫できる
- 支柱やネットを設置しやすい
- 枯れ葉や落果を見つけやすい
- 病害虫の確認をしやすい
- 栽培期間が極端に長くない
例えば、葉ネギ、ハーブ類、ラディッシュなどは、比較的小さな鉢でも始めやすく、日常的な観察や収穫を行いやすい作物です。ただし、これらも害虫や鳥害を受けないことを保証するものではありません。
トマトやイチゴのように育てたい作物が明確な場合は、最初から防鳥ネットを取り付けられる支柱やスペースを確保しておきましょう。
鳥の足場になる場所からプランターを離す
カラスや鳩は、必ずしも直接プランターへ飛び込むわけではありません。手すり、室外機、棚、物干し金具などにいったん止まり、周囲の安全を確認してから作物へ近づくことがあります。
都市部でよく見られるカラスは雑食性で、用心深く、周囲を観察しながら行動する鳥です。人が出す生ごみや屋外に残されたペットフードなども利用します。
レイアウトを考える際は、次の工夫ができます。
- プランターを手すりに密着させない
- 実が手すりの外から見えにくい位置に置く
- 室外機の上に鉢や餌になるものを置かない
- 棚を鳥の足場にしない
- 鳥が隠れられる収納物の隙間を減らす
- プランター周辺を観察できる空間を残す
ただし、日当たりが大きく不足すると野菜の生育に影響します。鳥から隠すことだけを優先せず、植物が必要とする光量とのバランスを考えてください。
被害が予想される作物には、最初からネットを準備する
鳥害が発生してからネットを掛けようとしても、成長した茎や葉を傷つけずに支柱を追加するのは簡単ではありません。
トマト、イチゴ、ブルーベリーなどを育てる場合は、苗を植える時点で、防鳥ネットを掛けられる枠や支柱を準備しておくと安心です。
農林水産省の鳥類対策資料では、被害が発生する前に防鳥網を設置し、時期が過ぎたら取り外せる簡易的な方法が紹介されています。防鳥ネットは、鳥と作物の接触を物理的に遮断する基本的な対策です。
設置するときは、次の点に注意します。
作物とネットの間に距離を取る
実や葉にネットが密着すると、鳥がネット越しにつつく可能性があります。支柱を使って、作物とネットの間に空間を設けます。
側面や下部の隙間を確認する
上から掛けるだけでは、横や下から侵入されることがあります。水やりや収穫に必要な開口部を残しながら、閉め忘れが起きにくい構造にしましょう。
たるませない
ネットが大きくたるむと、鳥の足や羽が絡む危険があります。破れや緩みがないか定期的に確認してください。
防虫ネットと混同しない
防鳥ネットと防虫ネットでは、対象とする生物や網目の大きさが異なります。細かな防虫ネットも、すべての害虫の侵入を完全に止められるわけではありません。農業研究の試験でも、0.6ミリ目合いのネットは複数の害虫に侵入阻止効果を示した一方、アブラムシ類などを完全には防げず、アザミウマ類やハダニ類には十分な侵入阻止効果が見られなかったとされています。
育てる作物と想定する被害に合わせて、適した製品を選びましょう。
虫の発生を抑えるには、水と有機物の管理が重要
ベランダ菜園では、鳥だけでなく、プランター周辺のコバエやゴキブリなどが気になることもあります。
虫を完全に発生させないことは難しいものの、湿気や腐敗した有機物をためないことで、発生・滞留しにくい環境に近づけられます。
栽培開始時から、次の習慣を取り入れましょう。
- 植物に適した水やり頻度を守る
- 鉢底皿にたまった水を放置しない
- 枯れ葉や落ちた実をその日のうちに回収する
- 有機肥料を商品表示に従って使用する
- プランターの下を定期的に掃除する
- 生ごみやペットフードをベランダに置かない
- 排水口に土や葉を流さない
- 鉢を過密に並べず、風通しを確保する
水やりは毎日同じ量を機械的に与えるのではなく、植物の種類、季節、土の乾き具合に合わせます。鉢底皿の水を放置すると、根の状態だけでなく、ベランダの衛生管理にも影響します。
また、最初からプランタースタンドなどを使って床との間に掃除できる隙間をつくると、鉢の裏側に落ち葉や汚れがたまっていることに気づきやすくなります。
餌になるものを残さないことが鳥獣対策の基本
鳥獣対策では、追い払うことだけでなく、鳥や動物を引き寄せる原因を減らすことが重要です。
環境省のカラス対策マニュアルでは、都市部のカラス対策として、利用できる食べ物を減らすことが基本に挙げられています。生ごみ、餌付け、屋外に放置したペットフードなどは、カラスが人の生活圏へ近づく原因になります。
ベランダ菜園でも、次のものを放置しないようにしましょう。
- 熟しすぎた野菜
- 落ちた果実
- 鳥につつかれた実
- 収穫後の皮や種
- 生ごみ
- ペットフード
- 水の入った容器
- 巣材になりそうな枝やひも
「少しくらいなら大丈夫」と実を残していると、鳥が食べ物のある場所として利用する可能性があります。収穫期には毎日観察し、食べ頃を迎えた実から順に収穫しましょう。
忌避資材は予防環境を補助する選択肢
ECOxCOで取り扱う「マリンスター・小分けタイプ」は、天然乾燥ヒトデを不織布に入れた、置く・吊るすタイプの自然由来忌避資材です。

栽培開始時に、鳥が止まりやすい場所やプランター周辺へ設置し、近づきにくい環境づくりを補助する使い方ができます。
ただし、マリンスターは防鳥ネットのように鳥の侵入を物理的に遮断するものではなく、鳥や虫を捕獲・殺傷する商品でもありません。すでに食害が発生している場合や、鳥が繰り返し飛来している場合は、防鳥ネットや誘引物の除去を優先し、補助的に使用してください。
公式商品情報では、マリンスター・小分けタイプの使用目安は設置後4~6か月程度とされています。ただし、設置場所、気温、湿度、雨、風、通気性などで変わり、雨ざらしや吹きさらしでは短くなる場合があります。
したがって、「半年たったら必ず交換」と一律に考えるのではなく、次のようなタイミングで確認しましょう。
- 雨や強風が続いた後
- 季節が変わったとき
- においや状態が変化したとき
- 鳥や小動物の飛来が増えたとき
- 設置から4か月程度が経過したとき
天然乾燥ヒトデには特有のにおいがあります。洗濯物、窓、給気口、隣戸との境界から距離を取り、子どもやペットが触れない場所に設置してください。
マンションでは管理規約と避難経路を先に確認する
マンションのバルコニーは、居住者が日常的に使用していても、共用部分に専用使用権が設定されている形が一般的です。国土交通省のマンション標準管理規約では、共用部分を通常の用法に従って使用することや、バルコニー等の専用使用について定めています。実際の条件は、各マンションの管理規約や使用細則によって異なります。
栽培を始める前に、以下を確認してください。
- ベランダ菜園が認められているか
- 防鳥ネットや支柱を設置できるか
- 手すりへ資材を固定してよいか
- 外観に関する制限がないか
- 水や土を下階へ落とす危険がないか
- 避難はしごや避難ハッチをふさいでいないか
- 隣戸との隔て板の前に物を置いていないか
- 台風時に鉢を移動できるか
ベランダを全面的にネットで覆う場合や、壁・天井・手すりに固定具を取り付ける場合は、管理会社や管理組合へ事前に相談しましょう。
栽培開始前の予防チェックリスト
ベランダ菜園を始める前に、次の項目を確認しておくと安心です。
作物と栽培方法
- □ 日照条件に合う野菜を選んだ
- □ 成長後の大きさを確認した
- □ 収穫や剪定がしやすい場所を選んだ
- □ 必要に応じてネットを取り付けられる
- □ 防虫ネットと防鳥ネットを使い分けている
鳥獣・害虫対策
- □ 手すりや室外機からプランターを離した
- □ 鳥が隠れられる物陰を減らした
- □ 鉢底皿の水を捨てられる配置にした
- □ プランターの下を掃除できる
- □ 落果や枯れ葉を毎日確認できる
- □ 生ごみやペットフードを置いていない
安全とマンションルール
- □ 管理規約と使用細則を確認した
- □ 避難はしごや避難ハッチをふさいでいない
- □ 隔て板の前に物を置いていない
- □ 強風時に鉢や資材を撤去できる
- □ 手すりの外側へ物を設置していない
- □ 下階や隣戸に水、土、においが及ばない
まとめ|被害を受けてからではなく、植える前に備える
ベランダ菜園の鳥獣被害や虫の問題は、栽培を始める前の計画によって軽減できる可能性があります。
重要なのは、鳥や虫を一度に排除しようとすることではありません。
- 作物をネットで守れる構造にする
- 手すりや室外機からプランターを離す
- 鉢を過密に並べず、風通しを確保する
- 水たまり、落果、枯れ葉を残さない
- 収穫適期を逃さない
- 必要に応じて忌避資材を補助的に使う
- 管理規約と避難経路を確認する
こうした基本を栽培開始時から組み込むことで、被害が出たときにも原因を確認しやすくなります。
「野菜を育てる計画」と「野菜を守る計画」をセットにして、無理なく続けられるベランダ菜園をつくりましょう。

マリンスター・小分けタイプは、天然乾燥ヒトデ100%を不織布に入れた、置く・吊るすタイプの自然由来忌避資材です。ベランダの手すり付近、プランター周辺、軒下、物置など、鳥や小動物の飛来・侵入が気になる場所の環境管理に使用できます。栽培を開始するタイミングで設置し、清掃、防鳥ネット、収穫管理などと組み合わせてご使用ください。
※本製品は農薬や殺虫剤ではありません。 ※対象動物を捕獲、殺傷または駆除する商品ではありません。 ※使用環境や対象動物の行動により、結果は異なります。
引用・参考資料
- 環境省「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル」 都市部のカラスの生態、餌となるものを減らす対策、予防的な環境管理を参照。
- 環境省「自治体担当者のためのカラス対策マニュアル・資料編」 カラス対策では利用できる食べ物を減らすことが基本であるとの説明を参照。
- 農林水産省「鳥類の生態と被害対策―カラスとヒヨドリを中心に」 ヒヨドリによる葉菜類への被害、防鳥網を使用した対策を参照。
- 農林水産省「侵入防止対策」 鳥害発生前に防鳥網を設置し、被害時期後に取り外す考え方を参照。
- 農林水産省「ブドウの鳥獣害対策を省力・安全化する果実保護ネット」 果実への接触をネットで物理的に遮断する対策を参照。
- 農林水産研究情報総合センター「0.6mm目合いネットによるアブラナ科野菜害虫の侵入阻止効果」 防虫ネットの効果と、対象害虫による限界を参照。
- 国土交通省「マンション標準管理規約」 バルコニー等の共用部分、専用使用権、通常の用法に関する考え方を参照。
用語集
鳥害
鳥による農作物の食害、ふん、鳴き声、営巣、設備の汚損などの被害をまとめた呼び方です。
鳥獣被害
鳥や野生動物によって、農作物、生活環境、建物などに生じる被害です。本記事では、主としてベランダへ飛来する鳥や小動物による被害を指します。
防鳥ネット
鳥が作物へ接触したり、特定の場所へ侵入したりすることを物理的に防ぐための網です。
防虫ネット
作物へ害虫が侵入することを減らす目的で使用する、比較的網目の細かいネットです。網目や害虫の種類によって効果が異なり、すべての虫を完全に防ぐものではありません。
誘引物
鳥や動物を引き寄せる原因となる食べ物、水、巣材、隠れ場所などです。落果、生ごみ、ペットフードなどが該当します。
忌避資材
においや刺激などを利用し、対象となる動物が近づきにくい環境づくりを目的とする資材です。捕獲や殺傷、物理的遮断を目的とするものではありません。
専用使用権
マンションの共用部分の一部を、特定の住戸の居住者等が使用できる権利です。所有権とは異なり、管理規約や使用細則の制限を受けます。
隔て板
隣り合う住戸のベランダを区切る板です。建物によっては、火災などの非常時に隣戸側へ避難するために使用されます。
免責事項
本記事は、ベランダ菜園における一般的な鳥獣被害および害虫対策について、情報提供を目的として作成したものです。特定の対策または商品による効果を保証するものではありません。
鳥、野生動物、害虫の種類や行動、季節、地域、建物の構造、栽培する作物、設置方法、周辺の餌環境などによって、被害の程度や対策の結果は異なります。
防鳥ネット、防虫ネット、テグス、支柱等を使用する場合は、人や鳥が絡まないよう適切に固定し、破れやたるみを定期的に確認してください。強風や台風が予想される場合は、必要に応じて資材や鉢を屋内へ移動してください。
マンションや賃貸住宅では、管理規約、使用細則、賃貸借契約、消防・避難上のルールを確認し、隔て板、避難ハッチ、避難はしごをふさがないようにしてください。
マリンスター・小分けタイプは、農薬、殺虫剤、捕獲器ではなく、対象動物を捕獲、殺傷または駆除する商品ではありません。使用目安は設置環境により異なります。商品表示と使用上の注意を確認し、子どもやペットの手が届かず、洗濯物や隣戸へのにおいの影響が少ない場所で使用してください。